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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

ブロムフェナクナトリウム点眼が原因と疑われた角膜潰瘍の2例

著者: 望月美奈1 中神哲司1 浅井竜彦1 畑徳昌1 土屋貴子1 堀田喜裕1

所属機関: 1浜松医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.675 - P.679

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要約 2眼の角膜潰瘍が,非ステロイド性抗炎症薬であるブロムフェナクナトリウム点眼後に生じた。1例は58歳男性で,水疱性角膜症に合併した強膜炎に対して本薬点眼と抗菌薬眼軟膏を点眼し,3日後に角膜中央部の実質深層に達する潰瘍が発症した。他の1例は71歳男性で,右翼状片の手術後に本薬点眼,抗菌薬点眼,ステロイド薬点眼を行い切除部が完全に上皮化したが,術後40日目に切除部の角膜輪部に潰瘍が生じた。両症例ともブロムフェナクナトリウム点眼を中止し,短期間で潰瘍が治癒した。ブロムフェナクナトリウムなどの非ステロイド性抗炎症薬点眼で,重篤な角膜障害が起こる可能性を示す症例であり,注意が望まれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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