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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

白血病により視神経乳頭腫脹をきたした2例

著者: 平野佳男1 滝昌弘1 高木規夫2

所属機関: 1常滑市民病院眼科 2常滑市民病院内科

ページ範囲:P.691 - P.695

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要約 白血病に視神経乳頭腫脹が併発した2例を経験した。1例は44歳男性で,3年前に急性骨髄性白血病が発症し,二度の化学療法で寛解していた。3週間前に両眼の視力障害を自覚した。受診時の視力は,右手動弁,左眼0.04であった。乳頭腫脹が両眼にあった。化学療法と放射線照射で乳頭腫脹が寛解し,視力は右0.4,左0.6に回復した。他の1例は16歳男性で,1か月前に風邪様の症状があり,右眼の眼瞼腫脹と複視が続発した。当科受診直前に急性リンパ性白血病と診断された。近見視力は右0.3,左0.6で,右眼に乳頭腫脹があり,両眼に網膜出血があった。磁気共鳴画像検査(MRI)で右の副鼻腔と眼窩に腫瘤があり,視神経が鼻側に圧排されていた。抗白血病薬の全身投与と髄腔内注入で,眼窩腫瘍と乳頭腫脹は寛解した。視神経乳頭腫脹の原因は,第1例では浸潤性視神経症,第2例では圧迫性視神経症と推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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