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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

ボツリヌス毒素療法の成績

著者: 鈴木温1 木村亜紀子1 三村治1

所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.715 - P.718

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要約 過去5年間に412症例に対してボツリヌス毒素療法を行った。内訳は眼瞼痙攣172例と片側顔面痙攣240例で,男性122例,女性290例である。平均年齢は66±11歳,平均投与回数は7.4±5.7回であり,平均観察期間は2.0±1.6年である。投与のたびにアンケート調査を行い,81%の症例が治療に満足していた。効果持続期間は,眼瞼痙攣が2.4か月,片側顔面痙攣が3.5か月で,後者が有意に長かった(p<0.00000001)。治療の中断は,眼瞼痙攣では効果不十分,片側顔面痙攣では治療が奏効したことがその主な理由であった。23例で抗体検査を実施し,その全例で陰性であった。ボツリヌス毒素療法は,満足度が高く,全身的な副作用も皆無であった。発症初期に治療をすれば治癒の可能性が高くなると考えられるため,早期治療が望ましい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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