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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

鉄欠乏性貧血を伴った網膜中心動静脈閉塞症の3症例

著者: 川崎厚史1 橋田徳康1 金山慎太郎1 小川憲治1

所属機関: 1市立豊中病院眼科

ページ範囲:P.732 - P.736

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要約 鉄欠乏性貧血の3症例に網膜中心動静脈閉塞症が併発した。いずれも女性で,年齢は29歳,44歳,51歳,すべて片眼発症である。受診の動機は急性の視力低下または霧視であり,初診時の患眼の矯正視力は,0.02,1.0,0.8であった。眼底所見として桜実紅斑,動脈周囲の糸状網膜浮腫または限局性浮腫があり,蛍光眼底造影で網膜内の循環遅延があり,一過性の網膜中心動脈閉塞症と診断した。その後,視神経乳頭の発赤浮腫,網膜静脈の拡張蛇行,火炎状の網膜出血が生じ,網膜中心静脈閉塞症の所見を呈した。全例に血清鉄,フェリチン,ヘモグロビン,ヘマトクリット値の低下があった。鉄欠乏性貧血の原因である拒食症,胃潰瘍,不正性器出血がそれぞれにあった。鉄剤などの投与で貧血は軽快した。これに続いて視力と眼底所見は速やかに改善し,最終視力として0.3,1.5,1.2を得た。初診時視力が良好なほど視力転帰がよかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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