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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

透析患者の網膜静脈閉塞症

著者: 檀上陽子1 佐藤圭子1 池田誠宏2 三村治2 田畑勉3 井上隆3

所属機関: 1井上病院眼科 2兵庫医科大学眼科学教室 3井上病院内科

ページ範囲:P.737 - P.739

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要約 透析患者438例876眼について網膜静脈閉塞症の併発を検索した。原疾患は,慢性糸球体腎炎179例,糖尿病性腎症140例,その他119例であり,平均年齢は62.5歳であった。網膜静脈閉塞症は26例(5.9%)29眼にあった。平均年齢は62.2歳,透析期間は平均149か月であった。網膜静脈分枝閉塞症が21例24眼,網膜中心静脈閉塞症が5例5眼にあった。26例の全身因子として,高血圧が24例,糖尿病が3例,高脂血症と膠原病が各1例にあった。ヒトエリスロポエチンが21例で使用されていた。透析患者での網膜静脈閉塞症の発症率は0.3~1.0%とされているが,本症例群では5.9%と高率であった。高血圧と,血栓症を併発しやすいとされるエリスロポエチンの使用が危険因子として注目される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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