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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

経瞳孔温熱療法後に異なる経過をとったポリープ状脈絡膜血管症の3症例

著者: 松本英孝1 飯田知弘1 佐藤拓1 森本雅裕1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.763 - P.767

文献概要

要約 臨床所見が似ている中心窩下のポリープ状脈絡膜血管症3例3眼に対して,同一条件で経瞳孔温熱療法(TTT)を行った。すべて男性で,年齢は68,76,79歳であった。治療前の視力は3眼とも0.5で,そのすべてに中心窩を含む漿液性網膜剝離があった。フルオレセイン蛍光造影でoccult CNVがあり,インドシアニングリーン蛍光造影でポリープ状異常血管が検出された。TTTにはダイオードレーザーを使い,直径3mmで1スポット,出力350mW,60秒照射とした。術後に1眼では網膜剝離が消失し,視力は0.9に改善した。1眼は術直後に網膜が白色化して視力が0.1に低下した。1眼では網膜剝離が増強し,最終的に黄斑萎縮が生じ,視力は0.2に低下した。これら3眼では治療前の臨床所見が類似していたにもかかわらず,術中と術後の反応が違った。TTTの照射条件の設定には,なお検討が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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