icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

翼状片組織におけるヒアルロン酸合成酵素の発現について

著者: 岡野敬1 村田正敏1 白石久子1 志和健吉2 堀内三郎3

所属機関: 1みたけ眼科 2志和眼科 3岩手医科大学生化学教室

ページ範囲:P.773 - P.776

文献購入ページに移動
要約 翼状片2眼から切除した組織を,ヒアルロン酸,ヒアルロン酸合成酵素,CD44について検索した。患者は70歳と76歳の女性である。ヒアルロン酸は細胞外マトリックスの構成要素であり,組織の立体構造の維持に関与する。これはヒアルロン酸合成酵素によって産出され,CD44はそのレセプターである。これら3者は,細胞の移動や増殖などの生物学的プロセスに関与している。ヒアルロン酸の定量にはELISAを用い,ヒアルロン酸合成酵素2とCD44の発現はRT-PCR法で確認した。1検体から1.0μg/mlのヒアルロン酸が検出され,両検体からヒアルロン酸合成酵素2とCD44の発現が認められた。以上の結果は,翼状片組織にはヒアルロン酸,ヒアルロン酸合成酵素,CD44が存在することと,これら3者からなる系が翼状片の病態に関与する可能性を示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?