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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

Polymerase chain reaction法で診断されたアカントアメーバ角膜炎の1例

著者: 並木美夏1 増田洋一郎1 浦島容子1 田中雄一郎1 渡辺朗1 鎌田芳夫1 北原健二1 中林條2 小林かおり2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室 2佐賀医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.777 - P.780

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要約 24歳女性が右眼の角膜潰瘍で紹介され受診した。ソフトコンタクトレンズを長期間使用していた。2週間前に右眼痛があり,樹枝状角膜炎の疑いで治療を受けたが無効であった。矯正視力は右0.06,左1.2であり,右角膜中央部にびらんを伴う径4mmの混濁があった。アカントアメーバ角膜炎を疑い,フルコナゾールとミコナゾール点眼を追加し角膜そう爬を繰り返したが,病変はさらに悪化した。初診から4か月後に,使用していたソフトコンタクトレンズとその保存液からアカントアメーバが培養され,角膜擦過物からもpolymerase chain reaction(PCR)法でアカントアメーバDNAが検出されて診断が確定した。本症に有効とされるクロルヘキシジンとポリヘキサメチレン・ビグアナイドの点眼を開始し,角膜病変は瘢痕治癒した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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