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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

閉塞隅角緑内障を合併した真性小眼球の1例

著者: 韓在元1 加茂雅朗1 佐井豊幸1 稲田真紀子2 小松敏郎3 本山貴也3 猪尾芳弘3 白木邦彦3

所属機関: 1大阪市立北市民病院眼科 2城東中央病院眼科 3大阪市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.781 - P.784

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要約 60歳男性が緑内障のコントロール不良のため紹介され受診した。幼少時から両眼の視力が不良であり,同胞5名中3名が視力不良であった。視力は右0.08×+18D,左0.09×+17Dであり,眼圧は右21mmHg,左42mmHgであった。角膜径は左右とも11mmで,眼軸長は右15.4mm,左15.6mmであった。両眼とも前房が著しく浅く,狭隅角で,膨隆虹彩があった。以上のことから,閉塞隅角緑内障を伴う真性小眼球と診断した。右眼に周辺虹彩切除術,左眼に線維柱帯切除術,超音波乳化吸引術,眼内レンズ挿入術を行った。術後,右眼には合併症がなく,左眼には局所的な脈絡膜剝離が生じたが自然消退した。右眼は点眼併用,左眼は無治療で眼圧が正常化し,視野狭窄の進行はない。真性小眼球に内眼手術を行うと,uveal effusionが起こりやすいとされているが,ほぼ順調に経過した症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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