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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

治療が奏効した感染性強膜炎の2症例

著者: 間山夏子1 佐藤章子1 蔦祐人1 三好永利子1

所属機関: 1大館市立病院眼科

ページ範囲:P.793 - P.797

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要約 64歳男性が1週間前からの右眼痛と充血で受診した。右眼の矯正視力は0.5で,球結膜の充血と浮腫,デスメ膜皺襞,前房内炎症があった。ステロイド薬の減量と抗生物質などの全身投与は無効であった。初診から5週間後に強膜の生検を行った。強膜切開時に排膿があり,肺炎球菌が検出された。さらにステロイド薬の減量と抗生物質を投与し,病変は治癒した。44歳女性が右眼痛があり受診した。8年前に右眼の網膜剝離手術を受けており,球結膜鼻側にシリコーンスポンジが露出していた。視力は0.3であった。露出したスポンジを抜去した。その部の強膜は壊死により菲薄化し,ぶどう膜が透見されたので,他眼の球結膜を移植した。スポンジからグラム陽性菌が検出された。複数回の手術と抗生物質・消炎薬の投与で壊死強膜は結膜で被覆された。退院時視力は0.2であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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