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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

両眼の脈絡膜新生血管に対し硝子体手術を行った真菌性網脈絡膜炎の1例

著者: 宮野良子1 竹田宗泰1 古庄史枝1 斉藤秀文1

所属機関: 1市立札幌病院眼科

ページ範囲:P.815 - P.819

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要約 35歳女性が両眼の脈絡膜新生血管で紹介され受診した。2年前に卵巣奇形腫の手術を受け,術後の化学療法中,両眼に真菌性網脈絡膜炎と推定される病変が生じ,抗真菌薬投与で瘢痕治癒したが,ふたたび活性化した。視力は右0.8,左0.4であり,両眼黄斑部に漿液性網膜剝離があり,左眼に網膜下出血があった。蛍光眼底造影などで両眼の脈絡膜血管新生と診断した。初診から4か月後に,硝子体手術による脈絡膜新生血管抜去を左眼に行い,その10か月後に同様の手術を右眼に行った。経過は良好で,最終視力として右0.4,左0.8を得た。真菌性網脈絡膜炎による脈絡膜新生血管に対して血管抜去術が奏効した1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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