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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

全身転移を伴った眼窩内悪性リンパ腫に対して腫瘍摘出術を施行した1例

著者: 唐下千寿1 山崎香織1 三原悦子1 八田史郎1 井上幸次1

所属機関: 1鳥取大学医学部視覚病態学教室

ページ範囲:P.821 - P.824

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要約 44歳男性が2週間前に左上眼瞼部に腫瘤を自覚した。その後さらに腫瘤が増大して開瞼不能になり,当科を受診した。2年前に頭蓋内悪性リンパ腫に対して放射線照射を受け,寛解している。初診時には眼位と眼球運動に異常がなかったが,1週間後に左眼の眼球運動障害が生じた。確定診断と整容上の改善,ならびに視機能改善を目的として,眼球を保存しながら眼窩腫瘤摘出術を行い,開瞼可能になった。摘出組織の病理所見は,悪性リンパ腫(diffuse large B cell lymphoma)であった。また全身的検査で他臓器への播種が認められたために,化学療法を開始し,眼局所を含めて著明な改善が得られた。全身転移があっても,眼窩腫瘍摘出で患者のQOLが向上した1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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