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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

眼窩先端部症候群で初発した蝶形骨洞原発悪性リンパ腫の1例

著者: 上原淳太郎1 元木竜一2 佐野信昭3 武田憲夫1 八代成子1 上村敦子1 三宮曜香1 北橋正康1

所属機関: 1国立国際医療センター眼科 2横浜船員保険病院眼科 3佐野眼科

ページ範囲:P.825 - P.828

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要約 57歳女性の左眼に霧視と鈍痛が8か月前からあった。2週前から増悪して受診した。右眼は外傷による無眼球であった。左眼矯正視力は0.8であったが,3日後に0.03に低下し,開瞼不能になった。全方向への眼球運動が高度に制限され,画像検査で蝶形骨洞腫瘍と左眼窩内浸潤が発見された。両側蝶形骨洞と篩骨洞の開放術に続き,プレドニゾロン点滴を行った。眼瞼下垂と眼球運動障害は速やかに改善した。病理組織学的診断はびまん性大細胞Bリンパ腫であった。視力は1.0にいったん回復したのち,視神経萎縮が生じ,0.03になった。両側蝶形骨洞に原発した悪性リンパ腫が眼窩先端部症候群で発見された稀な1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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