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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

眼窩内に発生したsolitary fibrous tumor

著者: 山下啓行1 松本治恵2 中塚和夫2 榊保堅3 前尾直子4

所属機関: 1大分県立病院眼科 2大分医科大学医学部眼科学講座 3さかき眼科 4前尾眼科

ページ範囲:P.829 - P.832

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要約 19歳男性が5か月前からの右眼球突出と流涙で受診した。矯正視力は右0.7,左1.2であり,眼球突出度は右20mm,左13mmであった。右眼底に脈絡膜皺襞があった。CT検査で右眼窩内に30×20mmの卵円形の腫瘤があり,これを摘出した。腫瘤は充実性で被膜に包まれていた。病理組織検査で,腫瘍細胞はpatternless patternの配列であった。免疫組織染色で,vimentinに陽性,CD34に強陽性を示した。これにより孤在性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor)の診断が確定した。術前の磁気共鳴画像検査(MRI)で,腫瘍はT1強調画像で低信号,T2強調画像で不均一な高信号を示し,Gd-DTPAで腫瘍辺縁部に強い造影があった。摘出した腫瘍の被膜には血管成分があり,これが特徴的な画像所見を示した原因であると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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