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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4)

両眼性黄斑下脈絡膜新生血管を合併したEales病疑いの若年女子例

著者: 柴田佐和子1 伊藤賢司1 飯田知弘1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.851 - P.855

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要約 16歳女子が1か月前からの両眼視力障害で受診した。矯正視力は両眼とも0.1であり,右に-12D,左に-11Dの近視があった。両眼に中心窩下の脈絡膜新生血管があり,網膜下出血と漿液性網膜剝離を伴っていた。両眼の耳側周辺部に網膜静脈周囲炎,血管の白鞘化,無血管野があった。ツベルクリン反応が強陽性で,サルコイドーシスよりもむしろEales病を疑った。高度近視が中心窩下の脈絡膜新生血管の誘因であると推測した。フルオレセイン蛍光造影による脈絡膜新生血管の活動性低下がないため,初診から10週後に左眼,4か月後に右眼の新生血管除去術を行った。術後1年の現在,両眼とも0.15~0.2の視力を維持し,網膜静脈周囲炎の悪化はない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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