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特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (4) 専門別研究会
眼先天異常
著者: 玉井信1 野呂充2
所属機関: 1東北大学眼科 2国立仙台病院眼科
ページ範囲:P.872 - P.873
文献購入ページに移動1.Neurocristopathyを伴った第1番染色体異常のある先天緑内障の1例
初川嘉一・中尾武史・山岸智子・岡本伸彦(大阪府立母子保健総合医療センター眼科)
目的:近年,先天緑内障の遺伝子異常について多くの知見が得られている。われわれは先天緑内障の異常遺伝子座を含む領域の染色体異常とともに口蓋裂を伴った症例を経験した。この症例について神経堤細胞の異常であるneurocristopathyとの関連について報告したい。
症例:初診は1999年8月10日で,生後4日目の女児。在胎38週,出生体重1,604gで出生した。角膜径は右13mm,左13mm,催眠下眼圧は右37mmHg,左36mmHg,瞳孔は散大,前房は深く,隅角は虹彩の高位付着が認められた。ピロカルピン,βブロッカーの点眼とダイアモックス(R)の内服後,2日後に右眼,その翌日に左眼のトラベクロトミーを施行した。術後眼圧は正常化し,現在まで投薬なしで経過観察中である。全身合併症としては,口唇口蓋裂,小頭症,小顎症,四肢短縮,発達遅滞,体重増加不良が認められた。染色体検査にて1番染色体長腕の部分欠失46,XX,del(1)(q24.3q31.2)がみられた。家族歴には異常はなかった。
考按とまとめ:先天緑内障と口唇口蓋裂,小頭症,小顎症はneurocristopathyに相当すると考えられた。先天緑内障は染色体の欠失部が緑内障遺伝子座に一致しており,他の全身異常との関連性も考察した。
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