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臨床報告
Laser in situ keratomileusis後に発症した角膜拡張症の1例
著者: 安田明弘1 山口達夫1
所属機関: 1聖路加国際病院眼科
ページ範囲:P.889 - P.892
文献購入ページに移動要約 50歳女性が左眼に近視矯正手術を4年前に受けた。手術は屈折矯正専門クリニックで行われたが,その後視力が改善しないために当科を受診した。右眼は生来弱視であった。初診時の矯正視力は右0.06,左0.5であり,右眼は-24D,左眼は-22Dの矯正で最良視力が得られた。レーシック(LASIK)が左眼に行われたと推定された。術前の屈折値,視力,矯正量は不明であった。左眼の角膜中央部は菲薄化し,中央部の角膜厚は右眼514μm,左眼358μmであった。角膜形状解析で左眼の角膜前後面が前方に突出し,角膜拡張症と診断した。左眼に対してpiggybag法でのコンタクトレンズ矯正を行い,0.9pの視力が得られた。現在の手術適応の基準から考慮すると,本症例は過剰に切除を行ったことが角膜拡張症の原因であったと解釈される。
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