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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻5号

2003年05月発行

臨床報告

Wegener肉芽腫症に対する免疫抑制療法中にサイトメガロウイルス網膜炎が発症した2例

著者: 高橋知美1 大沼郁子2 高橋栄二3 木村智華子4 山下英俊2

所属機関: 1東北中央病院眼科 2山形大学医学部眼科学教室 3公立置賜総合病院眼科 4済生会山形済生病院眼科

ページ範囲:P.893 - P.898

文献概要

要約 Wegener肉芽腫症の2患者に網膜炎が発症した。1例は25歳男性で両眼発症,他の1例は52歳男性で片眼発症であった。肉芽腫症の診断から網膜炎発症までの期間は両名とも11年であり,免疫抑制療法を受けていた。両名とも,眼底に出血を伴う黄白色の滲出性病変があり,血液と前房水からサイトメガロウイルス(CMV)DNAが検出され,サイトメガロウイルス網膜炎と診断した。血液検査でCD4/8が低値であり,免疫不全状態にあると考えられた。ガンシクロビルの硝子体内注入と徐放性ガンシクロビル硝子体移植を1例に,ガンシクロビルの点滴静注と硝子体内注入を他の1例に行い,網膜炎は寛解した。免疫療法を行っているWegener肉芽腫症にはCMVなどの感染症が併発しやすく,注意が必要なことを示す例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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