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連載 眼の遺伝病 46
PAX6遺伝子異常と無虹彩症(4)
著者: 鈴木健史1 和田裕子1 玉井信1
所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.926 - P.929
文献購入ページに移動昆虫・両生類・爬虫類・魚類・鳥類・そしてヒトを含む哺乳類に至るまで,地球上に存在する多くの生物が類似した機能を持つ脳・感覚器・内臓・肢体を有する。近年になって,それらの形成に関与する遺伝子の多くが種の間で高度に保存されていることが解明されている。
1992年,PAX6遺伝子変異が先天無虹彩症の発生に関与することがグレイサーら1)によって報告された。マウスの小眼球症の発生にもかかわるこの遺伝子はウニなどの下等生物からからヒトに至るまでさまざまな種の間でその塩基配列が保存されており2),その発見以来,発生学において最も注目される遺伝子の1つとしてさまざまな研究の対象となっている。
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