icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻6号

2003年06月発行

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (5)

ステロイド薬の全身投与を行わなかった原田病

著者: 江連司1 若倉雅登1 井上治郎1

所属機関: 1井上眼科病院

ページ範囲:P.985 - P.988

文献概要

要約 原田病10例20眼を副腎皮質ステロイド薬の全身投与を行わずに治療した。男性6例,女性4例で,年齢は24~74(平均48)歳であった。発症から受診までの期間は3~33日,平均10.3日であった。初診時の視力は0.06~1.2で,0.2以下が4眼,0.4~0.7が11眼,0.8以上が5眼であった。全例に散瞳薬と副腎皮質ステロイドを点眼し,2例にはデキサメタゾンの結膜下注射を行った。全身的にはビタミンCと柴苓湯を投与した。治療効果は,視力,前房所見,漿液性網膜剝離,炎症の遷延ないし再発で評価した。9例18眼で1.0以上の最終視力が得られた。網膜剝離は7~48日で消失し,その平均持続期間は21.3±14.0日であった。1例で寛解から5か月後に前房の炎症が再発した。8例に夕焼け状眼底が生じた。今回の原田病症例群の経過は,副腎皮質ステロイド薬の全身投与を行ったときのそれに匹敵すると評価される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら