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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻6号

2003年06月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (5)

閉塞隅角緑内障を発症した瘢痕期未熟児網膜症の1例

著者: 大嶋紫補1 松永紀子1 松原明久1 木村英也1 小椋祐一郎1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院視覚科学教室

ページ範囲:P.1015 - P.1019

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要約 5歳男児が前日からの右眼眼痛で受診した。在胎期間25週,出生体重624gの未熟児で,肺成熟不全症(Wilson-Mickity症候群)であった。生後7か月に,両眼に水晶体後部線維増殖と牽引乳頭があり,未熟児網膜症瘢痕期分類grade 4と診断された。眼圧は右60mmHg,左20mmHg,眼軸長は右17.4mm,左17.8mm,両眼とも浅前房であった。右眼の急性緑内障発作と診断した。両眼に周辺虹彩切除術を行い,眼圧は下降した。退院時の屈折は両眼とも-5Dの近視であった。2か月後に虹彩切除部が再閉塞し,眼圧が再上昇した。再度の周辺虹彩切除術で12か月後の現在まで眼圧は下降している。本症のような未熟児網膜症瘢痕期に生じる急性緑内障発作には,瞳孔ブロックや水晶体後部線維増殖組織による水晶体の前方移動以外の機序が関係している可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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