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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻6号

2003年06月発行

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (5)

網膜芽細胞腫の肩甲骨転移後,予後のよい1例

著者: 辻英貴1 松本誠一2 川口智義2 田村めぐみ1 吉川洋3 大西克尚4

所属機関: 1癌研究会附属病院眼科 2癌研究会附属病院整形外科 3九州大学医学部眼科学教室 4和歌山県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1067 - P.1070

文献概要

要約 4歳男児が2か月前からの左肩甲骨の腫瘤で受診した。1歳11か月の頃から右眼が白く光ることがあった。2歳10か月で眼科を受診し,網膜芽細胞腫として右眼が摘出された。腫瘍塊は眼球の大半を占めていたが,視神経浸潤はなかった。病理診断は未分化型の網膜芽細胞腫であった。左眼には異常がなかった。左肩甲骨の腫瘤は,生検で網膜芽細胞腫の転移を診断された。化学療法で腫瘍は4週後に著明に縮小した。これに続いて上腕骨頭を温存する肩甲骨全切除を行い,抗がん薬の全身投与を合計14回行った。以後14年が経過した現在まで,再発ないし転移はない。網膜芽細胞腫の遠隔転移があっても,手術と化学療法で完治した症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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