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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻6号

2003年06月発行

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (5)

ポリープ状脈絡膜血管症に対する経瞳孔温熱療法後に網膜下血腫をきたした症例

著者: 津村晶子1 高橋寛二1 正健一郎1 永井由己1 松原孝1 河原澄枝1 松村美代1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1077 - P.1080

文献概要

要約 71歳男性が3か月前からの左眼中心暗点で受診した。矯正視力は,左0.05で,左眼中心窩下に赤橙色の隆起があり,少量の網膜下出血と漿液性網膜剝離がその周囲にあった。インドシアニングリーン蛍光造影で,異常血管網とその先端部に多数のポリープ状病変があり,ポリープ状脈絡膜血管症と診断した。これに対して経瞳孔温熱療法(TTT)を行い,出力280mW,時間60秒,径3mmで波長810nmのレーザーを1回照射した。2か月後に網膜剝離は顕著に軽減したが,照射3か月後に4乳頭径大の網膜下血腫が生じた。TTTでは新生血管とその周囲の細胞に作用して血管閉塞が起こると考えられているが,本症例での網膜下血腫は本療法の合併症である可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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