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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻6号

2003年06月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (5)

検眼鏡的に急性後部多発性斑状網膜色素上皮症様所見を呈した原田病の1例

著者: 田中実穂1 吉貴弘佳1 中林條1 小林かおり1 小林博1 沖波聡2

所属機関: 1佐賀県立病院眼科 2佐賀医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1087 - P.1090

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要約 56歳男性に5日前からの両眼充血,羞明,頭痛があり,2日前から両眼視力が低下して受診した。矯正視力は右0.7,左0.6で,両眼に虹彩炎の所見があった。5日後に視力が両眼とも0.03に低下し,下方眼底に胞状網膜剝離,後極部一帯に多発性の黄白色滲出斑を伴う漿液性網膜剝離が出現した。これら滲出斑は急性後部多発性斑状網膜色素上皮症(APMPPE)に酷似していた。フルオレセイン蛍光造影で黄白色斑は造影早期に低蛍光を呈さなかった。眼所見と全身所見から原田病と診断した。副腎皮質ステロイド薬の全身投与で網膜剝離は寛解し,視力が左右とも1.2に回復したが,夕焼け状眼底になった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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