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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻6号

2003年06月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (5)

糖尿病網膜症による血管新生緑内障の視力予後

著者: 森口佳映1 山田晴彦1 河合江実1 藤関義人1 和田光正1 木内克治1 津村晶子1 畑埜浩子1 松村美代1

所属機関: 1関西医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.1095 - P.1098

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要約 血管新生緑内障を伴う糖尿病網膜症29例40眼を過去6年間の診療録の記録に基づいて検索した。男性22例32眼,女性7例8眼で,年齢は47~74歳,平均58歳であった。当初から光覚弁がない症例と手術が行われている症例は除外した。32眼に光凝固を追加し,24眼に緑内障手術を行った。最終的に34眼(85%)が薬物療法下で眼圧20mmHg以下にコントロールされた。20眼(50%)で0.1以上の最終視力が得られ,9眼(23%)が0.01未満であった。0.1以上の最終眼圧は,血管新生緑内障の発症時の眼圧が21mmHg以上の29眼中18眼(62%),20mmHg以下の11眼中2眼(18%)で得られ,有意差があった(p<0.05)。糖尿病網膜症患者に続発する血管新生緑内障に対しては,眼圧上昇の有無にかかわらず精力的に加療すべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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