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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻6号

2003年06月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (5)

肥厚性硬膜炎による視神経症の1例

著者: 永田竜朗1 徳田安範1 西尾陽子1 廣瀬直文1 田原昭彦1 木下良正2

所属機関: 1産業医科大学眼科 2産業医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.1109 - P.1114

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要約 72歳女性が3日前からの右眼視力低下で受診した。16か月前から激しい頭痛があり,8か月前に左眼視力が低下し,5か月前に失明した。受診時の矯正視力は右0.2,左0であり,虚血性視神経症と診断した。その5か月後に右眼視力が0.03に低下した。両眼に視神経萎縮,右眼に中心暗点,左眼に外転神経麻痺があった。単純CTと磁気共鳴画像検査(MRI)では頭蓋内と眼窩内に異常所見がなかったが,ガドリウム造影MRIで頭蓋底を中心に硬膜が肥厚し,両側の視神経に高信号があった。特発性肥厚性硬膜炎による視神経症と診断した。副腎皮質ステロイドのパルス療法を行い,硬膜の肥厚は縮小し,視神経の高信号は消失した。右眼視力は1.0になり,中心暗点は消失した。視神経症で肥厚性硬膜炎が発見された1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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