icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻6号

2003年06月発行

文献概要

臨床報告

視床外側・外側膝状体出血によりquadruple sectoranopiaをきたした1例

著者: 池田華子12 松井淑江3 植田良樹1 石郷岡均1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院眼科 2理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 3京都桂病院眼科

ページ範囲:P.1129 - P.1133

文献購入ページに移動
要約 48歳男性に両眼霧視と,全身,特に左下腿の痺れ感が生じ,内科を受診した。磁気共鳴画像検査(MRI)で,右視床外側と外側膝状体部に出血と浮腫が発見された。矯正視力は左右とも正常であった。ゴールドマン視野検査で,両眼の左上・左下部に扇型の視野沈下,いわゆる四重分画視野障害(quadruple sectoranopia)があった。3か月後に左下腿の知覚異常は消失し,その1か月後のMRI画像で出血巣は縮小していた。初診から9か月後に,視野はほとんど正常化した。本症例での四重分画視野障害は,前脈絡叢動脈で灌流される外側膝状体障害に続発したものと解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?