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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻7号

2003年07月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (6)

黄斑剝離を伴う裂孔原性網膜剝離に対する硝子体手術・経強膜手術後の視力推移とOCT所見

著者: 有澤章子1 喜多美穂里1 桐山直子1 川越直顕1 樋口暁子1 鈴木拓也1 池口有紀1 小岸淳一1 河本知栄1 松本美保1

所属機関: 1大津赤十字病院眼科

ページ範囲:P.1199 - P.1201

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要約 黄斑に及ぶ裂孔原性網膜剝離60眼のうち46眼には硝子体手術,14眼には経強膜手術を行った。両群間に術後視力と光干渉断層計(OCT)所見の差があるかを検索した。術前平均視力は硝子体手術群が0.06,経強膜手術群0.26であったが,術後平均視力はそれぞれ0.73と0.69で有意差がなかった。手術2週間後での2段階以上の視力改善率は,硝子体手術群で76%,経強膜手術群が36%で有意差があった(p=0.009)。この時点で検眼鏡的には全例で網膜が復位していたが,OCT上での残存剝離が硝子体手術群の13%,経強膜手術群の55%にあり,これらでの術後視力改善は残存剝離のない例よりも有意に少なかった(p=0.009)。硝子体手術群での術後早期からの視力改善には黄斑完全復位が関与していると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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