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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻7号

2003年07月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (6)

抗真菌薬に対する薬剤アレルギーを生じた真菌性眼内炎の1例

著者: 鈴木美奈子1 渡辺洋一郎1 飯島康仁1 伊藤典彦1 水木信久1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.1221 - P.1224

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要約 45歳男性が2週間前からの両眼飛蚊症と霧視で受診した。その数週前に直腸異物に対して手術を受け,経静脈高カロリー栄養(IVH)が行われていた。7年前にペニシリンアレルギーがあった。矯正視力は右0.9,左0.7で,硝子体混濁と眼底の白色病変が両眼にあり,真菌眼内炎第2期と診断した。フルコナゾールの点滴と内服で視力が回復したが,中毒性表皮壊死症が出現した。左眼病変が悪化し,ミコナゾールの点滴を開始した。8日後に薬疹が生じ,イトラコナゾール内服に変更した。40日後に肝機能が生じ,アムホテリシンB点滴に切り替えた。その17日後に低カリウム血症と血管炎が生じ,これを中止した。経過中に第3b期で手術を行った左眼は0.3,第4期で手術を行った右眼は手動弁の最終矯正視力であった。全身投与した4種の抗真菌薬すべてに薬剤アレルギーないし副作用が生じた症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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