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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻7号

2003年07月発行

文献概要

特集 第56回日本臨床眼科学会講演集 (6)

強皮症に著明な脈絡膜循環障害を合併した1例

著者: 福本雅格1 奥英弘1 植木麻理1 喜田照代1 糸井恭子1 池田恒彦1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1225 - P.1228

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要約 70歳女性が左眼視力低下で受診した。2年前から慢性関節リウマチに対して服薬中であったが,眼科受診後に強皮症(進行性全身性硬化症)と診断された。両眼の白内障として経過観察中に無症状の左眼乳頭浮腫が生じ,その5か月後にuveal effusionに似た非裂孔原性網膜剝離が左眼に生じた。フルオレセイン蛍光造影で,脈絡膜の充盈遅延とleopard spot patternがあった。インドシアニングリーン蛍光造影で,脈絡膜の部分的な充盈欠損があった。電気生理学的検査で,網膜全層の循環障害と網膜色素上皮の機能障害が認められた。Uveal effusionの素因となりうる小眼球や強膜肥厚はなく,強皮症による膠原線維の変性により,脈絡膜循環障害と網膜色素上皮の機能異常が生じ,非裂孔原性網膜剝離になったと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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