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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻7号

2003年07月発行

文献概要

臨床報告

網膜静脈閉塞症に対する高圧酸素療法の効果

著者: 志熊徹也1 飯野倫子2 松島千景1 石山善三1 松澤豪2

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室 2戸田中央総合病院眼科

ページ範囲:P.1267 - P.1270

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要約 網膜静脈閉塞症15例15眼に対して高圧酸素療法を行った。内訳は網膜中心静脈閉塞症3眼と網膜静脈分枝閉塞症12眼である。年齢は37歳から76歳,平均58.5±10.5歳である。全例に検眼鏡的または蛍光眼底造影で黄斑浮腫があった。高圧酸素療法を行わない同様な所見がある12例12眼を対照とした。高圧酸素療法は1回1時間で連日行い,10回を1クールとして1ないし2クールを実施した。治療から6か月後の視力で効果を判定した。発症から治療開始までの期間は,効果と無関係であった。高血圧,脳硬塞,糖尿病などの全身疾患がない症例では,これがある症例よりも効果が有意に良好であった。黄斑出血よりも浮腫が広範囲にある症例では,対照に比べ,視力改善例が多かった。全身疾患がなく,黄斑浮腫が出血よりも高度である網膜静脈閉塞症に対して,高圧酸素療法が有効であると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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