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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻8号

2003年08月発行

文献概要

特集 ベーチェット病研究の最近の進歩

ベーチェット病研究の動向

著者: 南場研一1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科病態制御学専攻感覚器病学講座視覚器病学分野

ページ範囲:P.1324 - P.1326

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はじめに

 現代の医学の進歩には目覚ましいものがあるが,それでもまだ解明されていない疾患は多い。ベーチェット病もその1つであり,なぜ突然眼炎症発作を繰り返すようになるのか,なぜ眼,皮膚,口腔粘膜,腸管など限られた臓器に発症するのか,何か惹起抗原はあるのかなど,まだまだ解明されていない点ばかりである。働き盛りの青年期に発作を頻発して急速に視力を失っていき,社会的にも疎外されていく患者の姿を見るといたたまれないものがあり,何とかこの疾患を解明し,新たな治療法を開発しなければならないと痛感する。ベーチェット病がシルクロード病と呼ばれているようにアジア,中近東を中心とした地域に特有の疾患であることを考えると,この疾患を解明するのは筆者ら日本人の責務ではないかと思われる。

 このようにまだまだ問題は山積みだが,これまでに解明されてきたこと,現在どのような研究が進行中であるかを中心にまとめてみる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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