文献詳細
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Multifocal choroiditis associated with progressive subretinal fibrosis
著者: 福井勝彦1 大野重昭2
所属機関: 1旭川医科大学眼科 2北海道大学大学院視覚器病学
ページ範囲:P.1333 - P.1333
文献概要
左眼眼底には黄斑部に瘢痕化した星状の網膜下増殖組織と黄斑部を中心に後極部にかけて多発性のやや萎縮化した黄白色斑状病巣が脈絡膜から網膜色素上皮レベルに散在していた。右眼眼底に異常は認められなかった。走査型レーザー検眼鏡(SLO)によるmicroperimetryで右眼にはscotoma(暗点)を認めなかったが,左眼の黄斑部の瘢痕病巣部とその周囲にdense scotomaを認めた。フルオレセイン蛍光眼底造影では,多発性の黄白色斑状病巣は,初期像では低蛍光のなかに脈絡膜大血管の透見できるwindow defectによる過蛍光を示し,後期像では組織染により過蛍光を示した。黄斑部の網膜下増殖組織は初期像で蛍光遮断よる低蛍光,後期像では組織染により過蛍光を示した。インドシアニングリーン蛍光造影眼底撮影では,左眼眼底の黄白色斑状病巣は造影早期から後期まで低蛍光を示し,脈絡膜中大血管の透見できる部位もみられた。約7か月後(写真)では,左眼の後極部から周辺部にかけて黄白色斑状病巣の数が増加し,黄斑部の星状の網膜下増殖組織と陳旧性の黄白色斑状病巣は拡大し辺縁の色素沈着が増強していた。文献的検索からmultifocal choroiditis associated with progressive subretinal fibrosisと考えられた症例である。
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