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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻8号

2003年08月発行

文献概要

臨床報告

視神経炎との鑑別が困難であった再発性前部虚血性視神経症

著者: 加藤正幸1 松浦豊明1 湯川英一1 丸岡真治1 原嘉昭1

所属機関: 1奈良県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1381 - P.1386

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要約 66歳女性が1週前からの右偏頭痛,右眼痛と視力低下で受診した。矯正視力は右0.01,左1.0であった。右眼に上半盲と相対的求心路瞳孔反応障害(relative afferent pupillary defect:RAPD)があり,右眼に乳頭浮腫があった。臨床症状と検査所見から前部虚血性視神経症と診断し,副腎皮質ステロイド薬とプロスタグランジンE1の点滴を行い,視力と視野は改善した。その後2か月間に2回の視神経症の再発が右眼に起こり,初回は下半盲,2回目には中心暗点を伴っていた。そのつど同様な治療で寛解し,以後10か月間の経過は順調である。本症例ではプロスタグランジンE1の点滴が有効であったと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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