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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻9号

2003年09月発行

文献概要

臨床報告

漿液性網膜剝離で初発し血栓性血小板減少性紫斑病と判明した1例

著者: 大島春香1 伊藤由香1 牧野伸二1 伊野田繁1 水流忠彦1

所属機関: 1自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1465 - P.1470

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要約 51歳男性が両眼に変視症を自覚し,その当日に受診した。矯正視力は右0.8,左0.9であり,右眼に+0.75D,左眼に+2.0Dの遠視があった。両眼に乳頭から黄斑部に及ぶ境界鮮明な漿液性網膜剝離があった。蛍光眼底造影で造影早期に点状の過蛍光,後期に色素貯留が網膜剝離下にあり,原田病を疑った。血液検査で,血小板が6,000/μlと低く,溶血性貧血,肝機能障害,腎機能障害があり,塗抹標本で破砕赤血球があった。その後昏睡状態になり,血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)と診断した。6回の血漿交換療法を行い,意識と眼底所見が回復し,両眼とも1.2の視力を得た。本症例は,漿液性網膜剝離で初発し,その後TTPと判明した初めての報告である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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