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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科57巻9号

2003年09月発行

臨床報告

レーザー虹彩切開中に水晶体脱臼し,後に瞳孔ブロックを生じた1例

著者: 薬師川浩12 林理2 西田保裕2

所属機関: 1公立湖北総合病院眼科 2滋賀医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1491 - P.1494

文献概要

要約 62歳女性が左眼瞼腫脹で受診した。3日前にベッドから転落し,左眼を床で打撲した。眼圧は右17mmHg,左45mmHgであり,急性閉塞隅角緑内障と診断した。水晶体は正常な位置にあった。高浸透圧薬の点滴で眼圧を下降させたのち,レーザー虹彩切開術を鼻上側に行った。虹彩を穿孔した直後に前房が深くなり,水晶体が硝子体腔内に脱臼し硝子体が瞳孔から脱出した。翌日の左眼圧は20mmHgで前房は深く,角膜は透明であった。眼底検査のために散瞳薬を点眼したところ,水晶体が前房に移動して嵌頓し,瞳孔ブロックによる急性緑内障が発症した。眼圧を下降させたのち,レーザー虹彩切開術を鼻下側に行い,瞳孔ブロックを解除できた。以後1年間,左眼は安定している。水晶体が脱臼しているときには,散瞳薬の使用と頭位に注意する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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