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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻1号

2004年01月発行

臨床報告

先天白内障に対してpiggyback眼内レンズ挿入法を施行した1例

著者: 中泉裕子1 阪本明子1 山田義久1 酒井真澄1 高橋信夫1

所属機関: 1金沢医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.75 - P.79

文献概要

 背景:幼児への眼内レンズ移植に適応が定まっていない現在,piggyback眼内レンズが有用である可能性がある。症例と経過:生後5か月の男児が右眼の白色瞳孔で受診した。右眼に後極白内障があり,眼軸長は右19.50mm,左20.56mmであった。右眼に白内障手術を行った。水晶体吸引ののち,+25Dの3ピースPMMA眼内レンズを挿入して囊内に固定し,続いて+17Dのアクリルレンズを囊外に挿入固定した。術後の屈折は予定通りの約-2Dであった。術後3か月目に-9Dの近視が生じ,追加挿入したアクリルレンズを摘出した。術後16か月後の現在,右眼の屈折は約+4Dであり,コンタクトレンズ装用での視力は左右差がなくほぼ0.3である。結論:眼球が成長期にある時期でのpiggyback眼内レンズ挿入は術後のコンタクトレンズ装用期間を短縮でき,屈折値の変化に応じて摘出できる有用な方法である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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