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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻1号

2004年01月発行

文献概要

臨床報告

Vogt-小柳-原田病へのステロイド治療中に急性壊死性膵炎を発症した1例

著者: 永山亜紀子1 高良由紀子1 岩岡泰志2 草野敏臣3 松尾圭3 小澤享史4 安見和彦4

所属機関: 1県西部浜松医療センター眼科 2県西部浜松医療センター消化器内科 3県西部浜松医療センター外科 4県西部浜松医療センター病理

ページ範囲:P.81 - P.85

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 56歳女性が3日前からの頭痛と視力障害で受診した。矯正視力は右0.6,左0.5であった。両眼に虹彩炎と漿液性網膜剝離があり,蛍光眼底造影で網膜下色素貯留があった。原田病と診断し,入院のうえベタメタゾン点滴を開始した。1日量を8mgとしたのち,3日後から10mgに増量した。点滴開始からベタメタゾン総量が84mgに達した10日目に腹痛が生じた。白血球が増加していた。さらに2日後に腹痛と腹膜刺激症状が悪化した。緊急試験開腹術を行ったところ,膵体と尾部が融解して膿瘍化していた。急性壊死性膵炎と診断し,膵体尾部と脾を合わせて切除した。以後の経過は良好で,夕焼け眼底となり,視力は回復した。因果関係は不明であるが,ステロイド薬の全身投与後に急性膵炎が起こり得ることを示す1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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