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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻1号

2004年01月発行

文献概要

臨床報告

硝子体手術により血流改善を認めた切迫型網膜動脈分枝閉塞症の1例

著者: 髙山良1 須田雄三1 妹尾正1 吉田紳一郎1 小原喜隆1

所属機関: 1獨協医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.93 - P.97

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 63歳女性が右眼視野欠損で即日受診した。心房細動と僧帽弁狭窄症があり,15年前からワーファリンを内服中であった。白内障があり,矯正視力は右0.6,左0.8であった。右眼の上耳側動脈起始部に狭細があり,切迫型網膜動脈分枝閉塞症と診断した。ウロキナーゼ点滴を6日間実施したが,血流障害が増悪し黄斑浮腫が増加した。発症から15日後に硝子体手術を行い,意図的に硝子体剝離を作製したあと,動脈狭細部をマッサージした。その1週間後から黄斑浮腫は徐々に軽減し,血流が改善した。0.9の最終視力を得た。切迫型網膜動脈分枝閉塞症に硝子体手術が奏効したと考えられる症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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