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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻10号

2004年10月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (8) 原著

妊娠を契機に球後視神経炎様症状で発症した髄膜腫の1例

著者: 堀由起子1 望月清文1 寺島圭一2 堀部進次3 森良雄4

所属機関: 1JA岐阜厚生連中濃病院眼科 2JA岐阜厚生連中濃病院脳神経外科 3JA岐阜厚生連中濃病院産婦人科 4JA岐阜厚生連中濃病院病理

ページ範囲:P.1939 - P.1943

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 妊娠第6週の34歳女性が左眼の眼痛と視力低下で受診した。矯正視力は右1.2,左0.15であり,左眼下方に視野欠損があった。Marcus Gunn瞳孔が左眼にあった。眼底に異常がなく,球後視神経炎などの視神経障害が疑われた。2週間後に眼痛が増強し,左眼視力が手動弁に低下した。画像診断で左蝶形骨縁内側部に腫瘍が発見された。摘出された腫瘍は微小囊胞型髄膜腫(microcystic meningioma)であった。左眼視力は術後17日目に0.8に改善し,眼痛と視野は軽快した。腫瘍はプロゲステロンレセプターが陽性,エストロゲンレセプターが陰性で,妊娠が腫瘍の増大に関与した可能性が推定された。妊娠中に球後視神経炎様の症状があるときには,髄膜腫を鑑別診断に加えるべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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