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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻10号

2004年10月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (8) 原著

角膜錆輪の組織学的研究

著者: 松原稔1 吉田宗儀2 増子昇3

所属機関: 1松原眼科医院 2兵庫大学健康科学部栄養マネジメント学科 3千葉工業大学金属工学科

ページ範囲:P.1957 - P.1960

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 18眼から角膜鉄粉異物を採取し,これに伴う錆輪を検索した。採取片はHE染色とPeal染色を施し光学顕微鏡で観察した。錆輪は,それが角膜表層,上皮層,基底膜,ボーマン層,実質のどの部位にあるかで異なる所見を示した。得られた所見は,筆者らが仮説として以前に提出した以下の電気化学理論と一致していた。すなわち,角膜鉄粉異物は涙液に包まれると通気差電池になる。電池のカソードに発生する水酸化ナトリウムは,角膜上皮層を円筒状に,基底膜を円板状に,ボーマン膜を逆凹円板状に溶かす。その後実質表層を円筒状に溶かし,溶解跡に水酸化鉄が沈殿して角膜錆輪ができる。角膜鉄粉異物がアルカリ腐食を経て錆輪となることが証明された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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