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特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (8) 原著
黄斑前膜に対する硝子体手術成績およびICG染色による術後合併症
著者: 岩瀬剛1
所属機関: 1富山県立中央病院眼科
ページ範囲:P.1961 - P.1964
文献購入ページに移動 黄斑前膜23眼に硝子体手術を行った。17眼は特発性,6眼は続発性であった。16眼では術中にインドシアニングリーン(ICG)で内境界膜を染色した。特発性群の12眼と続発性群の5眼で術後視力が向上した。術前と術後6か月目の視力の比較では,特発性群よりも続発性群での視力向上の程度が大きかった(p=0.013)。術翌日からの低眼圧と脈絡膜剝離がICG染色群の4眼(25%)に起こったが,ICG非使用例にはなかった。低眼圧と脈絡膜剝離は4眼すべてで1週間以内に自然寛解した。低眼圧が硝子体手術時のICG染色の副作用である可能性と,これに毛様体の房水産生能の低下が関係している可能性がある。
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