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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻10号

2004年10月発行

文献概要

特集 第57回日本臨床眼科学会講演集 (8) 原著

眼圧の季節変動がみられた緑内障患者の1例

著者: 畑奈津代1 藤本尚也1 宮内修1 佐藤栄寿1 山本修一1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院視覚病態学

ページ範囲:P.1977 - P.1980

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 9歳男児が原発開放隅角緑内障として紹介され受診した。4年前に喘息発作時にステロイド薬の吸引を行い,2か月前までアトピー性皮膚炎に対し手指にステロイド軟膏を塗布していた。左眼の視野障害が進行し,初診の2か月後と4年後に線維柱帯切除術を行った。右眼視野は正常であったが,初診の3年後から眼圧が上昇し,30mmHgを超え視野障害が起こった。初診から4年間の右眼眼圧は,夏に低く冬に高い傾向を周期的に繰り返していた。月ごとの平均眼圧は,7月が16mmHg,1月が約24mmHgで,冬のほうが高値であった。治療内容に変更がない成人の原発開放隅角緑内障18眼では,夏よりも冬のほうが眼圧が有意に高値であり,平均眼圧の差は1.2mmHgであった。緑内障の治療では,眼圧の季節変動を念頭におく必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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