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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻10号

2004年10月発行

文献概要

実践報告―私の工夫

外来診療における電子カルテを用いたPOMR

著者: 加藤宗彦1 志和利彦2

所属機関: 1加藤アイクリニック 2日本医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.2003 - P.2007

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 われわれが従来から行ってきた,主訴や症状,所見,説明,計画などを記載する診療録では,医学的問題(M:medical problem)のみの解決に終わりやすい。最も有効な治療を行っても,それが必ずしも患者の求めるものとは限らず,納得と同意を得た医療になり得るとは限らない。当院では,医学的問題に加えて心理的(P:psychological problem)および社会的(S:social problem)問題を記録することで,患者の抱える問題の背景についても理解するように努め,患者のケアに役立てている。多忙な外来診療においても,電子カルテを使用することで,このような問題志向型カルテ記載法(problem oriented medical record:POMR)を実践することができると考えている。パソコンを用いて記録しているので,多くの情報を読みやすい文字で記録でき,過去の診療内容も説明しやすい。疾患のみならず,患者自身をより深く理解することができると考えた。しかしながら,これを実践するには訓練が必要である。外来診療においても,電子カルテを使用することで長期的なPOMRが可能となり,患者との相互理解が深まった。その結果,症状に診断をつけ,治療を行う医療から,患者のケアの一環として治療を行う医療への意識改革がなされた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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