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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻10号

2004年10月発行

文献概要

臨床報告

胆囊癌に伴う癌関連網膜症の1例

著者: 番裕美子1 高橋佳奈1 板橋俊隆1 菅野江里子1 阿部俊明1 玉井信1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.2017 - P.2021

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 80歳女性が2か月前からの急激に進行する両眼の視力低下で受診した。高血圧があり,5年前に無症候性胆囊結石と慢性膵臓炎が指摘されている。視力は右手動弁,左0.15であった。両眼とも,網膜が粗そうで血管が狭細化し,血管アーケード付近に色素沈着があった。蛍光眼底造影で網膜血管の透過性亢進があった。両眼に輪状暗点があり,右眼には中心暗点があった。網膜電図は消失型であった。全身検査で胆囊癌が発見された。総肝管,総胆管,門脈,肝動脈などへの浸潤があり,手術の適応なしと判断された。患者血清のWestern blotによる免疫学的検討で,27 kDaの網膜抗原が同定され,癌関連網膜症(cancer-associated retinopathy:CAR)の診断が確定した。網膜症に対しては治療を行わず,初診から約4か月後に逝去した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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