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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻11号

2004年10月発行

特集 白内障手術の傾向と対策―術中・術後合併症と難治症例

Ⅰ.術中合併症の予防と対処

ハイドロダイセクション・核回転困難

著者: 大木孝太郎1

所属機関: 1大木眼科

ページ範囲:P.50 - P.54

文献概要

 傾向

 ハイドロダイセクション(hydrodissection)が不確実な場合,術中に水晶体核を回転させることが困難になる。術中に水晶体核の回転ができない場合,手術の難易度は非常に高くなり,そのような状態で行う超音波乳化吸引術は術中合併症の発生する危険性も高い。また,水晶体核のみを分離しエピヌクレウス(epinucleus)が水晶体囊に貼り付いて残ると,このエピヌクレウスの吸引除去も大変困難で破囊の危険性も高い。したがって,確実なハイドロダイセクションは安全に超音波乳化吸引術を行うための大切なステップであることは間違いない。

 本項のテーマであるハイドロダイセクション困難とは,ハイドロダイセクションが確実に作用しない場合と定義し,次の2つに分けて考えることにする。

 (1)ハイドロダイセクションの手技がうまくない,未熟である場合

 (2)ハイドロダイセクションはうまく行えるが核が回転しない

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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