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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻11号

2004年10月発行

文献概要

特集 白内障手術の傾向と対策―術中・術後合併症と難治症例 Ⅰ.術中合併症の予防と対処

核落下

著者: 吉田紳一郎1

所属機関: 1吉田眼科病院

ページ範囲:P.80 - P.83

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 傾向

 白内障手術に際して硝子体内への核落下は重篤な合併症である。放置すると落下水晶体が原因となって水晶体過敏性眼内炎や眼圧上昇など二次的な合併症を起こす。原因は術者の不注意が最も多いが,患者側の要因として水晶体脱臼や高齢者の偽落屑症候群などが考えられる。

 不幸にして核落下を生じた場合,早期の完全な核片除去を考えるべきである。しかし,硝子体手術の設備がない場合や術者が硝子体手術の経験がないときは決して無理をせず,一度創を閉鎖し硝子体専門病院に転送すべきである。また1/8水晶体径以下の軟らかい核片であれば放置していても自然吸収する可能性が高い。しかし眼圧上昇や眼内炎などの二次的合併症を生じた場合や,白内障手術のインフォームド・コンセントにより術翌日より良好な視力回復を目的としている場合は早期の対処をすべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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