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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻11号

2004年10月発行

特集 白内障手術の傾向と対策―術中・術後合併症と難治症例

Ⅱ.術後合併症の予防と対処

創口閉鎖不全

著者: 白尾裕1

所属機関: 1浅ノ川総合病院眼科

ページ範囲:P.107 - P.113

文献概要

 傾向

 1.白内障手術の創口閉鎖は自己閉鎖が主流

 自己閉鎖創白内障手術は,超音波水晶体乳化吸引術(phacoemulsification and aspiration:PEA)を前提とし,1992年には全白内障手術の11%を占めるにすぎなかった1)が,1997年には54%2),2002年には66%を占めるに至り3),今後も増加することが予想される。この背景には,術直後からの良好な裸眼視力を期待する患者側のニーズと,それを可能にする手術法・眼内レンズ(IOL)の進歩がある。筆者の施設で平成15年度に両眼に白内障手術(硝子体手術同時施行も含む)を施行した249例のうち,234例は術後正視を希望した。このうちの6例は,50歳以上の両眼近視者に生じた片眼の網膜剝離に対して一次的に硝子体手術併用トリプル手術(以下,硝子体トリプル)を施行した8例のうち,僚眼の屈折矯正的白内障手術も希望したものであった。このように患者の裸眼視力向上への期待は医療供給側の想像をはるかに超えて高く,そのためには小切開・自己閉鎖創白内障手術が必須である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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