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特集 白内障手術の傾向と対策―術中・術後合併症と難治症例 Ⅲ.ハイリスク症例―私はこうする
外傷性白内障
著者: 林研1
所属機関: 1林眼科病院
ページ範囲:P.208 - P.211
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外傷性白内障は,チン小帯や水晶体囊が傷害されている場合が多く,難しい症例であるにもかかわらず対処法に基準がない。1つには,明らかな穿孔創がある場合を除いて,術前診断が困難なことに原因があると思われる。また,外傷の既往があってもチン小帯や囊の傷害の程度もわかりにくい。壮年男性の手術で,予想外にチン小帯が弱かったとか,原因不明の後囊破損を起こしたということですまされている例も多いと思われる。
外傷は,穿孔性外傷と非穿孔性外傷に分けられる。非穿孔性外傷は,さらに鋭的な外傷と鈍的外傷に分けられるが,大きな差はないと思われる。穿孔性外傷で,水晶体囊が大きく裂けた場合は急速に過熟白内障に至るが,囊傷害が小さな場合は穿孔部局所の皮質混濁とチン小帯傷害でとどまると考えられる。囊が裂けていない場合も同様である。非穿孔性外傷では,囊破裂の場合は過熟白内障に至るが,囊傷害がない場合は,チン小帯断裂による水晶体の亜脱臼を起こしたり,皮質混濁が緩除に進行したりする。
外傷性白内障は,チン小帯や水晶体囊が傷害されている場合が多く,難しい症例であるにもかかわらず対処法に基準がない。1つには,明らかな穿孔創がある場合を除いて,術前診断が困難なことに原因があると思われる。また,外傷の既往があってもチン小帯や囊の傷害の程度もわかりにくい。壮年男性の手術で,予想外にチン小帯が弱かったとか,原因不明の後囊破損を起こしたということですまされている例も多いと思われる。
外傷は,穿孔性外傷と非穿孔性外傷に分けられる。非穿孔性外傷は,さらに鋭的な外傷と鈍的外傷に分けられるが,大きな差はないと思われる。穿孔性外傷で,水晶体囊が大きく裂けた場合は急速に過熟白内障に至るが,囊傷害が小さな場合は穿孔部局所の皮質混濁とチン小帯傷害でとどまると考えられる。囊が裂けていない場合も同様である。非穿孔性外傷では,囊破裂の場合は過熟白内障に至るが,囊傷害がない場合は,チン小帯断裂による水晶体の亜脱臼を起こしたり,皮質混濁が緩除に進行したりする。
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