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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科58巻11号

2004年10月発行

特集 白内障手術の傾向と対策―術中・術後合併症と難治症例

Ⅲ.ハイリスク症例―私はこうする

硝子体手術後の白内障手術

著者: 雑賀司珠也1

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.212 - P.214

文献概要

 対処の基本

 無硝子体眼の白内障も基本的には超音波白内障手術で対処される場合がほとんどであるが,表1に列記されるように硝子体手術後であることに起因するいくつかの注意すべき点が挙げられる。さらに硝子体手術後に増強する白内障は核の硬化が主たる病像の核白内障であるため,超音波破砕吸引手技自体も難易度が高くなる場合がある。

 筆者も無硝子体眼であるからといって特別のことはなく,基本的には日帰り超音波白内障手術で対処するが,核硬化度が高い症例では,後囊破損,硝子体腔への核落下の危険性が高い手技をわざわざ選択することは避け,「安全第一」を基本として,患者,家族と相談のうえ,入院のうえ計画囊外水晶体摘出を行っている。また,硝子体手術時にマイナーな後囊の損傷が起こっても水晶体全体が早期に白内障に陥らずに経過し,のちに白内障手術を必要とすることになった場合,超音波白内障手術では,水流分離や超音波核破砕中にその既存の後囊破損部からの核落下に至る可能性もある。本稿ではこの計画囊外法について記載し,超音波白内障手術は別項に譲る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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